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まず発熱です。微熱の形を取るものから弛張熱の形を取るものまでさまざまです。悪寒を伴うことはありますが、一般にがたがた震える、いわゆる戦慄を伴うことはないのが特徴です。 38°C以上の原因不明の発熱が3週間以上持続する場合、医学的にこれを不明熱と呼びます。不明熱の3大原因というと、感染症、悪性腫瘍、そして膠原病です。したがって、膠原病の診断では、いつも感染症と悪性腫瘍を除外することが必要です。 |
このほか、原因不明の体重減少、易疲労感、全身倦怠感などの全身症状もよくみられます。痒みのない発疹がよくみられるのも膠原病の特徴です。SLEでは、頬に蝶型紅斑と呼ばれると特徴的な発疹がみられます。膠原病毎にその発疹の特徴は異なりますが、発疹から診断がつくこともよくあります。 すでに述べたように、関節痛や筋肉痛はほぼ必発です。多くの場合は、多発性です。また、RAでは痛みだけではなく、腫れたり、熱を持ったりし、関節炎と呼ばれる状態となります。RAでは多発性および対称性の関節炎が特徴的です。 このほか、指が発作的に白くなったり、紫色になったりする、レイノ−現象もよくみられる症状の一つです。レイノ−現象は寒冷刺激や精神的興奮で誘発されます。 |
上岡田医院
慢性関節リュウマチの検査診断 CRP 血沈 WBC MMP-3 RF定量 抗CCP抗体 抗ガラクトース欠損性IgG 等
朝の手のこわばり 関節の左右対称性の痛み
膠原病にみられる特徴的な検査異常−診断に有用な検査の組み合わせ
慢 性 関 節 リ ウ マ チ |
全 身 性 エ リ テ マ ト ー デ ス |
全 身 性 進 行 性 硬 化 症 ・ 強 皮 症 |
多 発 筋 炎 ・ 皮 膚 筋 炎 |
S j o g r e n 症 候 群 |
混 合 性 結 合 組 織 病 |
結 節 性 多 発 動 脈 炎 |
リ ウ マ チ 熱 |
関連する病態 | ||
赤沈亢進 | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ||
CRP陽性 | ↑ | ± | ± | + | + | + | ↑ | ↑ | ||
血 球 |
溶血性貧血 | + | + | |||||||
白血球減少(リンパ球減少) | ↑ | + | ↑ | |||||||
白血球増多 | + | ↑ | ↑ | |||||||
血小板減少 | + | + | ||||||||
抗 核 抗 体 |
蛍光抗体間接法(スクリーニング) | + | ↑ | ↑ | + | ↑ | ↑ | |||
DNA抗体 | ↑ | + | + | + | ループス腎炎 | |||||
LE細胞、LEテスト | ± | ↑ | ± | ± | + | 関節炎、ルポイド肝炎、薬剤誘発ループス | ||||
RNP抗体 | ± | + | ± | ± | ± | ↑ | レイノー現象、リンパ節腫大、肺高血圧症 | |||
Sm抗体 | + | ループス腎炎、中枢神経症状を伴うSLE | ||||||||
SS−A抗体 | + | ↑ | + | 抗SS−A抗体症候群 | ||||||
SS−B抗体 | ± | + | 乾燥症状、関節炎、皮疹 | |||||||
JO−1抗体 | + | 関節炎 | ||||||||
Scl−70抗体 | + | 広汎性皮膚硬化 | ||||||||
K1抗体 | + | 間質性肺炎、乾燥症状 | ||||||||
PCNA抗体 | + | ループス腎炎、CNSループス、血小板減少 | ||||||||
Ku抗体 | + | + | 重複症候群 | |||||||
PM−Scl(PM−1)抗体 | + | + | 重複症候群 | |||||||
セントロメア抗体 | + | CREST症候群、原発性胆汁性肝硬変症 | ||||||||
抗ENA抗体 | ||||||||||
好中球細胞質抗体 | + | 血管炎症症候群、半月体形質腎炎 | ||||||||
リウマイド因子(RAPA,RAテスト) | ↑ | + | + | + | ↑ | + | 関節炎 | |||
クームス抗体(赤血球抗体) | + | + | 溶血性貧血 | |||||||
ワッセルマン反応偽陽性 | + | + | 血栓症 | |||||||
ASO、ASK、DNaseB抗体 | ↑ | |||||||||
血清低補体価(C3,C4,CH50) | ↑ | |||||||||
筋原性酵素上昇(CPK、アルドラーゼ) | + | ↑ | ||||||||
蛋白尿、尿沈渣異常 | ↑ | + | ↑ | |||||||
抗リン脂質抗体 | ↑ | + | + | 抗リン脂質抗体症候群 | ||||||
血小板抗体 | + | + | 血小板減少症 | |||||||
リンパ球抗体 | ↑ | + | + | リンパ球減少 |
↑:よくみられる +:みられることがある ±:ときどき +:重複症候群