抗リウマチ薬
1. 関節リウマチ(RA)治療における抗リウマチ薬の位置づけ 早期からの導入(RA の診断から3ヶ月以内)が勧められる。
【推奨A】
・抗リウマチ薬はRA を寛解に導く効果がある。
・関節破壊の進行を防止する(あるいは少なくとも抑制する)。
・特に骨びらんが出現する以前、またRA 罹病期間が短いほど抗リウマチ薬の効果が高い。
2. 抗リウマチ薬の種類
3. 抗リウマチ薬の特徴
4. 抗リウマチ薬の選び方
5. 抗リウマチ薬の種類と使い方
1)メトトレキサート(methotrexate : MTX) 最もエビデンスの明確な薬剤である。【推奨A】副作用が懸念される場合に
は葉酸5mg の週1 回投与(MTX 投与の48 時間後)が勧められる。【推奨A】
2)サラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine:SASP) SASP の抗リウマチ薬としての特徴は速効性にあると考えら
れ、比較的早期で軽症〜中等症のRA がよい適応。【推奨A】
3)金製剤(注射金剤と経口金剤)
A.注射金剤(金チオリンゴ酸ナトリウムgold sodium isothiomalate : GST) 抗リウマチ薬としての価値は失われて
おらず、中等症以上のRA 症例が本剤の適応【推奨B】
B. 経口金剤(オーラノフィンauranofin : AF) 症状が軽度で早期のRA が適応。【推奨B】
4)D- ペニシラミン(D-penicillamine : D-PC) 第一選択薬というよりは他の抗リウマチ薬が無効か使えない中等症以
上の症例に用いられることが多い。【推奨B】
5)レフルノミド(leflunomide : LFM) MTX の効果不十分か副作用で使用できない比較的重度の例が適応と考えられ
る。【推奨A】
6)わが国で開発された抗リウマチ薬
a. ブシラミン(bucillamine) 比較的早期で症状と炎症反応が中等度以上の症例が適応【推奨A】
b. アクタリット(actarit) 効果は他の抗リウマチ薬に比して弱く、遅効性である。早期の炎症症状軽度の軽症RA が
適応【推奨B】
c. ミゾリビン(mizolibine) 少なくとも1 種類以上の他の抗リウマチ薬が無効な例が適応【推奨B】
d. ロベンザリット(lobenzarit) 言及なし
e.イグラチモド(T-614) 開発治験中
7)テトラサイクリン(tetracycline) RA 治療における位置付けは今後の課題といえる。【推奨C】
8)わが国で使用されない抗リウマチ薬
6. 抗リウマチ薬の併用療法 なお試験段階の治療法とみなすべきであり、今後のエビデンスの蓄積が望まれる【推奨C】。
第六章 免疫抑制薬・生物学的製剤
1. 免疫抑制薬 将来的に有用な抗リウマチ薬として位置づけされる可能性がある【推奨C】。
2. 生物学的製剤 生物学的製剤は有効性は高いが、疾患を完治させる薬剤ではなく、副作用のリスクは他のDMARDs
に比して比較的高いといわざるを得ない。
日本の治療指針