気管支喘息は遺伝的因子(アトピー素因、気道過敏性など)と環境因子が絡み合って、気道の炎症と過敏性の亢進が生じて発病すると考えられます。環境因子には、アレルゲンとなる特異的環境因子とさまざまな増悪因子(非特異的環境因子:大気汚染物質や喫煙、薬物、ウイルスの呼吸器感染など)に分けられます。この環境因子を除去することが喘息の発病予防にとても大切です。アレルゲンは、室内と室外アレルゲンに分かれ、室内では家塵ダニ、カビ、ペット、職業アレルゲン、室外では花粉、昆虫アレルゲンが主要アレルゲンですが、喘息の予防は室内の環境対策が重要です。なかでもダニの除去は喘息の発病予防(一次予防)のみならず喘息症状を改善(二次予防)し、慢性化と重症化を防ぎます。生きているダニよりもダニの糞や死骸が細かくなった家塵のほうが喘息に悪いので殺ダニ剤を使うよりも紙パック集塵袋式の電気掃除機を念入りに使う方に効果があります。1週間に1回は寝具類を1m2あたり20秒間かけ吸塵することにより1m2あたり1000匹以下に減らすことが出来ます。(これ以下の数は喘息の発症を減らします)
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(1)
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建築構造の対策:換気をよくする。湿度を抑える。床下の通気を良くする。
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(2)
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室内環境の対策:換気をよくする。家塵のたまる家具を減らす。湿度を上げることにつながる加湿器や石油ストーブは使わない。除湿機を設置。じゅうたん類は置かない。
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(3)
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ダニ、カビ対策:湿度を50%以下にする。除湿機を設置。週1回は掃除がけする。ふとんは週1回、天日に干し、掃除機をかける。
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