この血圧、一日を通して安定した数値を示すものではなく、一日の時間帯によって数値が変化します(ふつうは早朝時が血圧が一番高く、就寝時にもっとも低くなります)。
それ以外にも、季節による変動(秋から冬は、血圧が高くなる傾向あり)や、精神的緊張・ストレス、測定条件の違いなどによっても血圧が上昇することがあります。
家庭で血圧を測ったときには高いのに、病院で測定してみると正常な数値を示すという「仮面高血圧」と呼ばれる現象も、よく知られているところです。
このため、高血圧かどうかを調べるための血圧値の測定は、通常は1〜2週間の間をおいて数回測った結果によって行われます。
日本高血圧学会の定める基準値によると、最大血圧(収縮期血圧)が140rHg以上か、最小血圧(拡張期血圧)が90rHg以上である場合が高血圧に属することになっています。
家で血圧計を使い定期的な血圧測定を行う場合は、朝と夕方の二回、測定する時間を決めて、日々の数値を記録するようにします。
ちなみに家庭においては、最大血圧(収縮期血圧)が135rHg以上、最小血圧(拡張期血圧)が85rHg以上が、高血圧の基準とされています。
上に述べたとおり、高血圧の診断は一度測ったくらいで行うことはできませんので、このようなふだんからの血圧測定の記録を医師の診察時に持参すると、診断の貴重な参考情報となります。
高血圧の恐ろしさは、動脈硬化にあり
心臓病冠動脈の疾患と治療の実際
高血圧の恐ろしさは、放置すると血管に加わる圧力が高まって動脈が硬くなり、血液の流れが妨げられる「動脈硬化」になることです。
そして動脈硬化の進み具合も、普通の人よりも10年早いといわれる速度で進行します。
ロバート・クラークス氏(オックスフォード大)らのグループによる
「英男性の長期健康調査」によると
・ロンドンの40〜69歳公務員男性1万8863人を
喫煙、高血圧、高総コレステロールの3つの多少で
最長38年間追跡
・1967〜70年に
喫煙等の生活習慣質問調査、血圧等測定、採血を行い、
喫煙ありなし、収縮期血圧140mmHg以上と未満、
総コレステロール193.3mg/dL以上と未満に、各二分。
・最初の検査時、42%が喫煙者、39%が高血圧、51%が高コレステロール。
・2005年までの追跡調査で、1万3501人の死亡を確認。
☆状態別の50歳時の平均余命
・3つとも無いグループ 33.3年
・高コレストールだけあるグループ 32.2年(ー1.1年)
・高血圧だけあるグループ 29.9年(ー3.4年)
・喫煙だけあるグループ 28.1年(ー5.2年)
・3つ共該当するグループ 23.7年(ー9.6年)
☆喫煙、糖尿病、肥満(BMI)、職業グレード、血圧、コレステロール値の
6つの条件で、健康スコアを算出し、比較した場合、
《50歳時の平均余命は》
・不健康のなトップ5% 20.2年
・健康なトップ5% 35.4年、その差は15.2年
※東北大・坪野教授は
日本は英国より、心筋梗塞が少なく、脳卒中が多いので、
日本人には、コレステロールの影響がより小さく、
血圧の影響がより大きくなるのではとしている。
★単純計算すると、
不健康な人の平均70〜74歳まで、
70歳でも昔なら長生きかもしれませんが...
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